サックスのマウスピースはリードと共に口に咥えるパーツですので
どのように扱ったらいいか気になりませんか ?
そうやって気になり始めると
サックスのマウスピースの正しい掃除の仕方や
洗い方の注意点、そして保管の仕方など
実はよくわかっていなかったことに気が付きます。
何となく手入れっぽいことをしていたけど
あまり綺麗になってなかったのかもしれませんし、
逆にマウスピースを傷めることになっていたかもしれません。
きちんとしたマウスピースの掃除の仕方や洗い方
さらには、マウスピースを傷つけない保管の仕方など
すぐに実践して役に立つ情報をお伝えしていきます。
サックス用マウスピースの掃除の仕方
口に含むものですから
ただのお掃除にとどまらず、清潔にしたいと思うのが人情です。
そこで、マウスピースのお掃除の仕方なのですが、
シャンク (ネック側) 側からネック用のスワブを1回通します 以上 !
えぇっ ? たったそれだけ ?
実はマウスピースは非常に精工に削り出されていて、しかもそれほどは硬い素材ではないので
スワブを何回も通すとマウスピースの内部が少しずつ削れてしまうのです。
もちろん、1回や2回 通したくらいでは何ともなりませんよ。
でもそれが毎日毎日ずっと続くと、やがては吹奏感が最初の頃と違ってくるのです。
つまり、ごくわずか ずつ削れているということです。
唾や唾液の中の脂分、食べたものの成分などがわずかに含まれた状態で
マウスピースの内側や先端の口に咥えるあたりに付着しているはずです。
それを取り去るのに、スワブを 1回 それも内側だけに通して終わり ?
衛生上からも、ちょっと心配になります。
ところが、プロに対して 「汚れが取れるのと、お気に入りのマウスピースの状態が変化していくのと
どちらが大事ですか ? 」 と問いますと、ほとんどのプロは衛生面より状態の維持を優先します。
つまりは、『マウスピースは綺麗を保とうと思わないほうがいい』 ということになります。
そうは言っても、吹くのは自分だけだとしても・・・
とうしても気になるのであれば、
スワブは1回だけ通すとして、流水で洗いましょう。
その時も石鹸やその他の洗剤を使うのはダメですよ。
石鹸には研磨剤が入ってますし、
洗剤の成分がマウスピースの素材にどんな影響があるか分からないからです。
でも、ラバーマウスピースの主な素材のエボナイトは、だ液と混ざるとけっこう臭いです。
人によっては、大変な匂いに感じることでしょう。
そこで、マウスピースクリーナーというものがありますので、使ってみてはいかがですか ?
私が使っているのは『サニーミスト 1,100円』 です。
アルコールが主成分の緑色の液体で、スプレーボトルに入って売っています。
歯磨き粉みたいな匂いがします。
除菌スプレーの匂い付きバージョンみたいなものですね。
ヤマハからも出してますし、気に入ったものを使えばいいかと思います。
水で洗ったマウスピースにスプレーして
柔らかい布かティッシュでそっと拭き取るだけです。
サックス用マウスピースの洗い方で注意すること
さて、マウスピースを少しでも清潔に保つために
流水で洗うことを提案しましたが、
洗うと言っても、人のイメージは様々です。
水で流しながら歯ブラシでこする
食器を洗うように、スポンジを持ってくる
殺菌もしようとして煮沸消毒をする などなど
あらためて注意点をまとめておきます。
(1) 洗うのは水で洗うのが一番いい
専用のクリーナー以外の洗剤は一切使わないでください。
水につけておくか、水道水をかけるだけで『良し』としましょう。
(2) こすってはダメ
綺麗好きな人なら柔らかい布でこすりたくなりますが、
水で洗い流すだけにしておきます。
(3) 洗う際はお湯も厳禁
お湯のほうが汚れが落ちるのは、今や常識です。
ですが、マウスピースに使っていいのは水だけです。
お湯で洗ったことで、
黒かったマウスピースがチョコレート色に変わってしまった話を何度も聞いてます。
(4) メタルマウスピースも水で洗えるが錆に注意
メタルマウスピースは金属ですが、錆び止めされてるわけではありませんので、
水分をしっかりと拭き取るか、最初から洗わないことをおすすめします。
マウスピースは口に含むパーツですが
水で洗うと聞いても一般的な洗うイメージとは違います。
マウスピースの精密な形状を守るためですので、
ここは我慢しましょう。
サックス用マウスピースの保管方法
マウスピースの保管で大切なことは
きちんと乾かすなり、ティッシュなどでそっと拭き取るなりして
水分を取り除いて、先端に傷つけないような環境で保管する。
ということです。
マウスピースは、床に落としただけで簡単に欠けますよ。
とてももろくて弱いものです。
リードは必ず取り外します。
当たり前だと思うかもしれませんが、付けたままの人がいるのです。
ただでさえ、あまり衛生的に洗えないのに、リードとの接合部分はどれだけ・・・
・・・ですよね。
そして外す際は、くれぐれもリードの先端を傷つけないように注意してください。
マウスピースの先端を傷つけないためにタダ同然で守る方法
(1) 今までついていたリードをダメになったリードに付け替えます。
先ほどリードは外すように言ったばかりですが、
使っていたリードを外してマウスピースを洗った後の話です。
その時に、ダメリードを数mm マウスピースの先端より出しておきます。
この状態でリガチャーで固定します。
そして、マウスピースキャップがあればかぶせて保管します。
これなら万一、マウスピースに衝撃かあっても先端部分はリードが身代わりになってくれます。
(2) マウスピース専用のポーチがある場合
キッチンにあるスポンジを四角く切り取って、ポーチの中に入れておきます。
スポンジ側にマウスピースの先端が来るような向きでポーチにしまいます。
ご自分で、小さなポーチを作るのも愛着が出て、いいものですよ。
保管中に傷が付かないために
保管中にころころ転がったり、何かにぶつかりそうになる所では保管しないでください。
保管中に傷がつくとしたら、マウスピースの保管場所にスキマがあったり
ネックと一緒にしまってみたり とにかく、ぶつかればそれなりにダメージがあると思ってくださいね。
まとめ
マウスピースの掃除は、
スワブを 1回だけ通したらあとは流水の力に任せておきましょう。
スワブは何度も通してはいけません。
僅かずつマウスピースが削れて行って、やがては吹奏感も音色も変わってきてしまいます。
気持ちが悪ければ流水で洗うか、水につけておく程度で済ませましょう。
お湯や洗剤は厳禁です。
それで気持ち悪ければ、マウスピース用のクリーナーを使いますが
綺麗にしようとして、こすってはいけません。
寿命が来てダメになったリードをうまく使うことで、
マウスピースの先端が守られます。
水分を取り除いた後
保管にはころころ転がらない、小さなスペースで
他の硬いものにぶつからないようにして保管します。
マウスピースの掃除や保管の仕方は、お分かりいただけましたか ?