ボケ防止は今や中高年者にとって、無関係ではいられない世の中になりつつあります。
寿命が延びているからですね。
ボケ防止のために趣味を持つことは
とてもいいことだと言われていますが、
実は『趣味がない』という人もいて
ボケ防止と共に趣味をどうするかという
新たな悩みも出てきています。
ボケ防止に向く趣味とは
大雑把に言えば
目 耳 手先 などから
脳へ新しい刺激を与え続けられる趣味
介護職員としての経験からしますと、
・会話をしなくなった人
・外に出歩かなくなった人
・目を閉じる時間が増えて周りの情報を取り込まなくなった人
この様な人は
ボケ(認知症) の進行が早くなっています。
上記の三つ、
人との会話も、外に出歩くも、周りの情報を取り込むも
『脳への刺激』 と考えられます。
脳への刺激がなくなるとともに
ボケが進んでいくようです。
話し相手がいて共通の話題で盛り上がり
その人たちとの交流目的に出歩いていく。
そんなことが出来る趣味を持てれば
ボケ防止の趣味としては最高ですよね。
ボケ防止の趣味はどこで見つける
役場や公民館に行ってみてはいかがでしょう ?
常に何らかのサークルが仲間になってくれる人を
募集しています。
パンフレットにして受付の傍に置かれてあったり
掲示板に書かれていたりします。
ショッピングモールに行ってみるのもいいですよ。
様々な趣味の関連したスクールを開講しています。
他にも
ご自宅の押し入れの中を探してみてください
絵の具のセット
習字のセット
大工道具
アルバムやカメラ
以前、興味のあったものが出て来るものです。
忙しさや、何らかの理由で頓挫してしまったものでしょう。
一度でも興味を持ったことは、環境や年齢が変わったことで、新たな思いで再開することも出来ます。
同じことでも違う角度から楽しみを感じることが出来るかもしれません。
特に定年になって現役の頃とは違う生活環境になっていれば、趣味を通しての新しい人間関係が新鮮に感じられて
その楽しさが、脳にいい刺激となります。
「人間関係は煩わしい」と、定年でさっぱりしたと思う方は多いと思います。
煩わしかったのは、『同じ職場』 『お客さん』 などの
利害関係や仕事上での付き合いだったことが原因のことも多いです。
『趣味』で知り合った新しい人間関係は、
純粋に楽しみを盛り上げることの出来る相手ですから
思っていたよりも楽しいことになりがちです。
趣味そのものはもちろん、その知り合った仲間との会話や刺激、もしかしたらいい意味での競争もあるかもしれません。
それこそが、ボケ防止のための
脳への刺激になるのではないでしょうか ?
自分に合ったボケ防止用の趣味とは
目や手先などの五感を使って自分が楽しみながら
友人も出来て会話を楽しみ
そのために外へ出歩く必要になる
こんな趣味が向いています。
もう少し詳しく書きます。
自分が興味を持てなければなりません
他の人が楽しいからと言って、自分も楽しめるかというとそうではないことも多いですからね。
家族や既に気心の知れた友人がやっている趣味に興味が持てるのなら、趣味と仲間を同時にもてて楽しいですね。
体力的に続けられるものを選ぶ
当たり前ではありますが、若い時に比べると
明らかに体力が落ちています。
これから体力や筋肉をつけていく年齢層ではありませんから
『キツイ』 『くたびれた』 では、長続きしませんし、
自分の体力の低下を目の当たりにして
モチベーションが下がってしまいます。
これでは逆効果です。
そういう意味では、
体力を使う趣味より頭脳を使う趣味の方がいいかと思われます。
支援なしにできるか
悲しいかな、大事なことになりつつあります。
誰にもお願いしないで楽しめないと、
心に申し訳なさが少しでもあれば、
楽しむことは出来ませんし、
自分の老いを悲観するきっかけとなってしまいます。
ご自分の体力や身体の状態、集いがあるのなら
そこまでの移動も自分で可能なのか
いますでに、どなたかの支援を得ているのであれば、
その支援の範囲で出来る趣味を探しましょう。
例えば、車いすや義手、義足の発達は目覚ましいものがあります。
経済的な負担はどうか
どんな趣味でもお金はかかります。
その程度がどうなのか、初期投資だけでいいのか
継続してある程度の費用を見込むものなのかは、
最初に知っておく必要があります。
興味はとてもあるのに、経済的な理由で諦めるのは辛いですからね。
人気の趣味とボケ防止
1.映画鑑賞
インターネットが普及していますから
自宅で寝転がってみることも出来ますが、
ぜひ映画館に出かけましょう。
身体を動かしますし、外を見るだけでも
沢山の刺激を受けます。
その感想を家族で話あったり
仲間がいれば映画談議に花を咲かせます。
ブログに書いて情報発信すれば、
文章を組み立てる刺激と指先を使う刺激が
脳の活性化にいいですよね。
2.家庭菜園 ガーデニング
もっと小規模でもいいのです。
マンションであれば、プランターで栽培しても
立派なものです。
育てた植物が花を咲かせたときは
やっぱり嬉しいものです。
蒔いた種が目を出して、実った作物をおかずにするなんて
楽しいと思いますよ。
3.カメラ 撮影旅行
昔写真を趣味にしていたことが、改めてカメラを持つようになっているそうです。
良いか悪いかは別として、『デジタル化』がその一因と聞きます。
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フィルムではなくてデジタル、今でもフィルム派はいますが、
メモリーカード1枚に何百枚も記録できますし、失敗写真は簡単に削除できます。
現像する必要もなく、写真屋さんでプリントしてもらったり、自分のプリンターで印刷だってできる時代です。
印刷しないで、データのまま取っておき、いつでも画面で見ることも出来ますので、
その手軽さや経費が掛からなくなったことで趣味にする人が増えています。
写真を撮りに出かけて、その地域を散歩しながら撮影するのも楽しいですね。
何度か出かけているうちに、自然と仲間が出来るようですよ。
4.楽器の演奏
定年してから、ズブの素人が
本格的な楽器に手を出しています。
スクールに行ってみると、
「えっ、」と言いたくなるような
超年配の方が楽器を持って頑張っておられます。
まず、先生と会話があります。
基本、指先を使うことが多いですので、脳に刺激を与えます。
教えてもらい、やっと少しだけ読めるようになった楽譜を見ながら
間違って演奏していないか耳で聴いて、違う音を出さないように指にも神経をいきわたらせる・・・
すぐに汗でびっしょりになりますが、脳はフル回転しています。
5.読書
とてもおとなしい趣味に感じますが、
脳は動いていますよね。
テレビをボーっと観ているのとは違い、
文章を目で追いながら
情景が頭の中で描かれて動いていきます。
凄いことですよね。
できれば、その感想・感動を家族や身近な人と共有できればなおいいかと思います。
まとめ
ボケ防止には脳を刺激すること
そしてそれを会話などで発信して
さらなる刺激を脳に与えること。
そのためには趣味がとても効果的だということです。
施設で私が担当している方々の中には
話すことを辞めてしまったかのように思える人たちが大勢おられます。
ほとんどの方が、すぐ前に起きたことを忘れたりします。
伺っても「趣味はなかった」と仰います。
( 昔のことはよく覚えておられます )
ですが、91歳にしてゆっくりですが会話が出来て
排泄の意思も自分で表現できる方がいます。
その方は、毎日編み物をしています。
目と指 毎日動かして脳に刺激を与えているのでしょう。
趣味だけで万全とは言えないでしょうが、
楽しむことが出来て、ボケ防止にもつながるのなら
何かしら趣味を見つけて没頭してみるのもいいですよね。