サックスを吹いていると『鼻抜け』と呼ばれる
身体の現象が起きることがあります。
そもそも鼻抜けとは何なのか
なぜ起きるのか
防ぐ対策はあるのか
その辺をお伝えしたいと思います。
経験した人ならわかりますが、
鼻抜けが起きたら
吹けませんものね。
マウスピースに息を吹き込もうと
どんなに頑張っても
その息のほとんどが鼻の方へ抜けていきます。
感覚としては『鼻側に漏れていく』ですよね。
自分でも悲しくなるくらい、
息に踏ん張りがききません。
サックスで言う鼻抜けとは
鼻抜けは医学的には口蓋帆咽頭閉鎖不全症(鼻咽腔閉鎖不全症 VPI )といいます。
でも言葉ほど難しいことではありません。
肺からの空気を
鼻に送るか口に送るかの
コントロールが出来なくなているということです。
サックスを吹いていて起こる鼻抜けとは
サックスに吹き込む息が、
口ではなく
鼻に抜けていって
音が出なくなる現象のことをいいます。
この鼻抜けが起きると
口からマウスピースに向かって
勢いよく息を吹き込むことが出来なくなります。
お腹の筋肉を使って、
力強く息を吹き込もうとすればするほど
口の奥の方から
空気が鼻に抜けていきます。
その抜けていく感覚は、
自分で感じるのでちゃんと分かるんですね。
鼻抜けの原因は何でしょう
口の中の上あごの奥の方に
肺からの空気を鼻に送ったり口に送ったりする弁
( 軟口蓋 ) というものがあるのですが、
この弁の機能が上手く働かなくなることが原因です。
脳卒中などで
この機能が低下することが知られていますが、
サックスなどの管楽器を吹いていると
そんな病気でなくても突然起きます。
管楽器演奏時に口腔内圧は、
それまで口が経験したことが無いような圧力になります。
そのため軟口蓋を挙上する筋(口蓋帆挙筋)は
鼻に空気が漏れないように働き続けることで
とても疲労しやすくなっています。
この疲労のことをStress-VPI(ストレス性のVPI)と
呼ぶのだそうですが、
このような状態になると演奏を続けることができなくなります。
要するに、口蓋帆挙筋の疲労 が原因ですね。
筋肉疲労です。
鼻抜けの対策はありますか ?
筋肉疲労ですので、
対策は、休憩しかありません。
私も口の奥に力を入れて
空気が鼻に抜けないようにと
力を入れて吹くのですが、
全くダメです。
意識をすることくらいで、
高い空気圧を押さえることなんてできませんでした。
個人差はあるでしょうが
10分休憩しても、1~2分で また起こります。
練習時ならいいですが、
本番で起きたら悲惨です。
音楽になりませんからね。
ある歯科クリニックさんでは
『PLP』 という装置を口腔内に装着して
改善が見られているようです。
音大生や管楽器奏者が装着して効果が得られているそうです。
でももっと気軽に自宅や出先で簡単に
というのであれば
2,000円前後でこんな器具もありますよ。
そうまでして鍛えなくてもいいや・・・
というのであれば
まずは休憩しましょ
筋肉の疲労が十分に取れれば
日ごろの練習 (素人レベル) 程度は
問題なくこなせるように回復します。
焦って、無理をしないことが肝心です。
まとめ
サックスなどの管楽器に起こりがちな
『鼻抜け』について書いています。
吹こうとしても
肺からの息が口ではなく鼻に抜けるというか
漏れて行ってしまう現象のことです。
脳卒中などの病歴が無ければ
原因は、筋肉の疲労です。
口と鼻の間にある弁を動かす筋肉です。
十分な休息をとることで
私たち素人レベルなら
回復します。
焦らず、休息をとるように心がけましょう。