ご家族の誰かが車いすを必要とするようになった時
どんな車いすがいいのか、選ぶ基準も何も分からないことに
初めて気が付きます。
テレビCMなんてしにくい商材ですし
宣伝して売り上げを伸ばすものでもありません。
そこで介護職の筆者が、いくつかの車いすを見てきた経験から
総合的にベストと思われる車いすを紹介します。
車いすは介助者のことも考えると軽量で折りたたみ出来たほうがいい
車いすは軽いに越したことはなく、
折りたたんでコンパクトにできるならさらに良いのです。
車いすを自分の力だけで移動できる場所は限られています。
また、体力も落ちていきます。
電動車いすならともかく、
車いすと介助してくれる人とはセットのように考えるべきです。
そのために車いすには必ず後ろ側に自転車のハンドルのようなものが付いていて
その握り部分の下にはブレーキレバーが付いています。
一人暮らしの人で車いすを使うケースの場合には折り畳みの必要はあまり無いかと思いますが、
そうでない場合は折りたためるかどうかは、すごく大事なことです。
車いすは、とても場所を取るものだからです。
使わない時には出来るだけコンパクトにしておきたいですし、
車で出かけることがあっても、折りたためれば簡単に積むことが出来ます。
車いすには当然人が座ります。
その人の体重と車いすの重さを合わせると
ほんの少しの上り坂でも押す側の人には大変な力が要ります。
女性では押せないどころか、後ろに下がって来ます。
男性でも、玄関のスロープを車いすを押して上がっていくのは
とても大変な重労働です。
逆に下り坂だと、どんどん勝手に進もうとします。
なので、車いすは軽い方がいいのです。
もちろん軽いだけで、強度に心配が出るようなものはダメです。
そして、見落としがちなのがブレーキですね。
あまり効かないブレーキもあります。
スピードが出るわけではないので、ディスクブレーキなどの
高回転で回るものを止める必要は無いのですから
確実に止まるブレーキ
少々の坂道でも止まっていられるブレーキが必要ですね。
ここで紹介する車いすは、
アルミ製のフレームで、軽くて丈夫です。(12kg)
ブレーキはドラム式で、自動車の後輪にも使われている
故障の少ないブレーキです。
これは、車の車輪部分についています。
ただし、このブレーキを効かすには、ずっと握っていなければなりません。
そこで、車いすにはサイドブレーキなるものが付いています。
タイヤの部分にレバーで金属を押し当てて
ずっとブレーキがかかった状態にしておく装置です。
もっともこのサイドブレーキは、ほぼすべての車いすが採用しています。
筋力が弱りがちな車いす使用者には安全ベルトで安心
車いすと言えども、安全ベルトは必要です。
椅子に座り続けるというのは、
実はかなり高度な事なのです。
相当の筋力が必要で、
座り続けられない人は、すぐに斜めに傾いたり
前方向にだんだん倒れてきます。
普通は気が付かないうちに
自分の身体の重心を微妙にずらしながら
お尻が痛くならないようにしてますよね。
それが思うようにできなくなった人にとっては
座面のクッション丈が頼りです。
価格が高い目の車いすでも
座面が布一枚 と言うものもあります。
介護用のクッション使用を前提としているのでしょうが、
少し不親切に感じてしまいます。
この車いすは、
ベースのシートにもクッションを入れています。
専用のお座布団が、何らかの理由で濡れてしまったりして
干している最中でもお尻が痛くなりにくいようにとの配慮です。
また、筋力が低下して来ると
重心を移動いにくくなるのに
座面でお尻がどんどん前に出てきてしまい、
大昔のレーサーみたいな姿勢を
するようになります。
そんな時ように、安全ベルトがあるといいですよ。
有りそうで付いてないのですから。
社会的な弱者である
障がいを持っている方に対しては
身体の自由を奪う『拘束』に値するとされています。
本来なら、いちいち届け出が必要で、ちゃんと勉強していないと
犯罪扱いされかねないために、付けていないことが増えています。
車いすで意外とお金のかかるパンク
室内で、施設内でしか移動しなくても空気が抜けます。
どうかするとパンクしています。
「えっ? また?』
よくある会話です。
タイヤの空気が抜けていたり
パンクしていたりすると、サイドブレーキが効きません。
後ろに人がいて、グリップを掴んで維持し続けなくてはなりません。
自走の場合は、止まり続けるのは不可能です。
大変危険な状態になりますし、パンクの修理代もばかになりません。
この車いすは、ノンバンクタイヤです。
メインの大きなタイヤと、前の方にある小さなタイヤ
合計4つがノンバンクのタイヤですよ。
これは、実際に介護をやっている人からすると
とても嬉しい仕様なのです。
自転車だってパンクした状態では、
ペダルをこぐ力がたくさん必要になります。
車いすも同じで、移動するために沢山の力を投入しなければなりません。
まとめ
車いすなんて、どれも同じに見えますが
細かく見ると、良いところも良くないところもあります。
でも
どんなとこが良くて、どうなら良くないのか
何にも分かりませんよね。
作りがしっかりしているなら軽い方がいいです。
そして使わない時には場所を取らないように
折りたためることも大切です。
タイヤは、自転車のように中にチューブがあるタイプではなく
ノンバンクタイプにしましょう。
アルミで折りたためて、ノンバンクタイヤで
ブレーキはドラム式
これをポイントに探してみてください。
とは言いながら、
色もカラフル、クッションもしっかり入って快適な
この車いすが、総合的に見てお勧めです。