唐突ですが犬の話。
犬の吠える声に耳を傾けてみると、犬はまるで言葉のように吠え方を使い分けていますよね。その違いが何を示しているのか、気になりませんか? 理解できたら愛犬とどれほど楽しい時間を過ごすことが出来るでしょう。
また、その吠え方に意味があるとすれば、飼い主さんはどのような対応をすればいいのでしょうか? 犬の吠え方による感情の違いを感じ取れるなら、人が相手のように対応もそれに応じて という形になるはずです。
犬の吠え方とその意味
犬が吠えるには必ず理由があります。たとえば、遊んでほしいという不満、誰かに挨拶する時の喜び、インターホンが鳴った時の警戒、痛みの訴え、不安から来る鳴き声などです。老犬が認知症を患った時にもさまざまな感情を訴えるために吠えることがあります。
不満を示す吠え方
鼻先から「ふんふん」と音を漏らすのは、不満を表しています。ケージから出たのに飼い主がかまってくれない時や、欲しいおもちゃに手が届かない時、遊んでほしいのに遊んでもらえない時などが該当します。我が家の犬もこの状況で「ふんふん」と鳴きますが、この声を聞いたら犬の不満を解消してあげる必要があります。
要求の吠え方
短く連続して「ワンワン」と吠えるのは、飼い主に何かを要求している時です。たとえば、ご飯の準備中や散歩に行く前、ケージから出してほしい時などが該当します。我が家の犬も、ご飯の準備をしている音や果物をむいている時にこの吠え方をします。ただし、要求吠えに応えすぎると、わがままになってしまうので「待て」を早く教えるのが良いでしょう。
楽しさや怒りを示す吠え方
低い声で「ウー」と喉を鳴らすのは、楽しさや怒りを表す時です。おもちゃで遊んでいる時に出ることがあり、これは楽しさのあまり出る声です。しかし、尻尾を立てて牙をむく場合は怒りを表しており、この時は無理にかまったり抱っこしないようにしましょう。
不安を表す吠え方
甲高い声で「クーン」と鳴くのは、不安や寂しさを感じている時です。飼い主が外出しようとする時や迎えたばかりの子犬が夜に不安になっている時、遊んでいたおもちゃが見つからない時などに見られます。この声が聞こえたら、犬が何を訴えているのか理解してあげることが大切です。
挨拶の吠え方
明るく高い声で短く「ワンッ！」と吠えるのは、犬の「挨拶」です。これは人間でいう「こんにちは」に相当します。「こっちを見て！」や「起きたよ！」といった軽い呼びかけです。我が家の犬も「おはよう」と声をかけると「ワンッ」と返事をしてくれます。この元気な吠え方はとても愛らしいですよね。
警戒の吠え方
普段より低い声で大きく「ワンワンワン」と連続して吠えるのは、警戒している時です。インターホンが鳴った時、知らない人が家に入ってきた時、雷の音がした時、初めて行く場所で知らない人に会った時、救急車のサイレンが聞こえた時などに見られます。我が家の犬もインターホンが鳴るたびに吠えますが、「待て」の練習を繰り返し行うことで、この警戒吠えを減らすことができました。
痛みを訴える吠え方
甲高い声で「キャン！」や「キャイン」と吠えるのは、痛みを感じている時です。誤って尻尾を踏んでしまった時や予防接種の時に見られます。我が家の犬もソファーから飛び降りた時にこの吠え方をしました。痛みが続く場合は、早めに獣医師に相談することをお勧めします。
犬の吠え方に対する対応とアプローチ
犬の吠え方に込められた感情や意図を理解することで、飼い主としての役割がさらに重要になります。ここでは、いくつかの具体的な対策やアプローチを紹介します。
不満を示す吠え方への対応
不満を示す「ふんふん」という鳴き声には、犬が必要としている関心や愛情を適切に与えることが必要です。飼い主が忙しい時でも、短時間でも犬と遊ぶ時間を設けることで、不満を減らすことができます。犬が満足するような遊びやトレーニングを取り入れると良いでしょう。
要求吠えへの対応
要求吠えには適切なトレーニングが必要です。「待て」を教えることは重要で、要求にすぐに応じないことで、犬が自分で落ち着くことを覚えます。ご飯の準備中などに吠え始めたら、一度無視して落ち着いた後に与えることで、吠えても効果がないことを学習させます。
楽しさや怒りを示す吠え方への対応
楽しさから来る「ウー」という鳴き声には、遊びを続けて犬のエネルギーを発散させることが大切です。しかし、怒りを示している場合は、犬の気持ちを尊重し、無理に触れないようにします。怒りの原因を探り、それを取り除く努力をします。
不安を表す吠え方への対応
不安を感じている時の「クーン」という鳴き声には、犬が安心できるような対策を講じます。外出する際には、慣れたおもちゃや飼い主の匂いがついたブランケットを与えるなどして、不安を軽減させる工夫が効果的です。また、短時間の外出から始めて、徐々に慣れさせることも重要です。
挨拶の吠え方への対応
元気な挨拶の吠え方には、飼い主も明るく応じることで犬との絆を深めることができます。犬が「ワンッ！」と吠えた時には、「おはよう！」や「こんにちは！」と返してあげると、犬も安心し、喜びます。
警戒の吠え方への対応
警戒吠えを減らすためには、犬が何に対して警戒しているのかを把握し、その原因を取り除くことが大切です。訪問者に対しては、犬がリラックスできる環境を作り、安心させることが重要です。普段から訓練を行い、「待て」や「おいで」などの基本的なコマンドを強化しましょう。
痛みを訴える吠え方への対応
痛みを訴える吠え方を聞いたら、まずは犬の体をチェックして異常がないか確認します。もし、痛みが続く場合はすぐに獣医師に相談することが必要です。日頃から健康管理をしっかり行い、定期的に健康診断を受けることで、未然にトラブルを防ぐことができます。
犬とのより良い関係を築くために
犬の吠え方を理解し、その意味を汲み取ることで、犬とのコミュニケーションが深まり、信頼関係が強化されます。飼い主として、犬の感情や要求を適切に理解し、対応することで、犬にとって安心できる環境を提供することができます。
犬が吠える理由をしっかりと理解し、適切な対応をすることで、犬も飼い主もストレスの少ない生活を送ることができるでしょう。日常の中で犬の気持ちに寄り添い、必要なサポートを提供することで、犬との絆が一層深まります。
犬の吠え方を理解するためのトレーニング方法
犬の吠え方を理解し、適切に対応するためのトレーニング方法もいくつか紹介します。これらのトレーニングを実施することで、犬とのコミュニケーションをより円滑にすることができます。
基本コマンドの強化
「待て」や「おいで」といった基本コマンドをしっかり教えることは、犬の吠え方をコントロールするための重要なステップです。以下の方法で基本コマンドを強化しましょう。
待てのトレーニング:
犬に座らせて「待て」とコマンドをかけます。
犬が待っている間、少しずつ距離を取り、犬が動かずに待てる時間を徐々に延ばします。
犬が動かずに待てたら、褒めておやつをあげます。
おいでのトレーニング:
少し離れた場所から「おいで」とコマンドをかけます。
犬が飼い主の元に来たら、すぐに褒めておやつを与えます。
この練習を繰り返し行い、どんな状況でも「おいで」で戻ってくるように訓練します。
吠え方に対する正しい反応
吠え方に対する飼い主の反応も重要です。犬が吠えた時の適切な反応を学ぶことで、犬が過剰に吠えることを防ぎます。
無視する:
犬が不必要に吠えている時は、無視することが効果的です。犬が吠えても反応しないことで、吠えても注意を引けないことを学習させます。
吠え止んだ瞬間に褒めておやつを与え、静かでいることを褒めます。
環境を変える:
外部の刺激に対して吠える場合は、その刺激を取り除くか、犬を別の場所に移動させることで吠えを防ぎます。
犬が吠えやすい状況を避けることで、吠える機会を減らします。
安心感を与える方法
犬が不安や恐怖を感じると吠えることが多いため、安心感を与えることが重要です。
安全な環境を提供する:
犬が安心して過ごせる場所を用意します。静かで落ち着けるスペースを作り、犬がリラックスできるようにします。
リラックスのトレーニング:
マッサージやリラクゼーションの練習を取り入れ、犬がリラックスできる時間を設けます。
リラックスしている時に褒めて、おやつを与え、ポジティブな強化を行います。
犬との絆を深めるための日常ケア
犬の吠え方に適切に対応するだけでなく、日常のケアを通じて犬との絆を深めることも大切です。以下の方法を取り入れることで、犬との関係がさらに良好になります。
定期的な運動
犬は運動不足になるとストレスが溜まりやすく、吠えることが増えます。定期的に散歩や遊びを取り入れ、エネルギーを発散させることが重要です。
散歩:
毎日の散歩を欠かさず行い、犬が外の刺激を楽しむ時間を作ります。
散歩のルートを変えることで、犬に新しい経験をさせることができます。
遊び:
おもちゃを使った遊びや、ボール遊びなどを通じて犬と積極的に遊びます。
知育玩具やパズルを使って、犬の知的欲求を満たすことも効果的です。
社会化の促進
他の犬や人との交流を通じて、社会性を身につけさせることも吠えを減らすために有効です。
犬の交流会:
ドッグランや犬の交流会に参加し、他の犬と遊ばせることで社会性を養います。
トレーニングクラス:
専門のトレーニングクラスに参加することで、他の犬や飼い主と触れ合いながら学ぶ機会を提供します。
最後に
犬の吠え方を理解し、適切に対応することで、犬とのコミュニケーションがより円滑になります。日常のケアやトレーニングを通じて、犬の気持ちをしっかりと理解し、信頼関係を築くことが大切です。犬の健康と幸福を第一に考え、吠え方を通じて犬の心の声に耳を傾けましょう。これにより、犬との楽しい時間を長く続けることができ、愛犬との絆がさらに深まることでしょう。
